社員が語る 越後みそ西への想い

将来、新潟の「越後みそ」の代表として、
世間に認知されるような
ブランドの一つになりたい。

Interview

代表取締役 長澤 智信

長澤さんは「越後みそ西」の社内ではどんな役割ですか?
私が越後みそ西に来て、どんな役割かっていうと、どちらかというと、「聞き役」ですね。社員はそうは思っていないかもしれませんが(笑)。

社員の人の変化について聞いたり。毎月、全体会議をやります。売上や商品、取引先が増えたのなどを報告したり。
そもそも、社長に就任されたきっかけは?
2012年の社長交代の時に「やらないか」というお誘いがあったんです。結局その時は引き受けなかったんですが、改めて2016年1月に、西巻則子さん(越後みそ西取締役)から依頼があり、社長を引き受けることになったんです。そもそも、妻の実家であることで思い入れもありました。それでやると決まったら、「すぐやろう」と思いました。
どういう思いで経営を引き受けたのですか?
これまで私たちの仕事、主にテック長沢(長澤社長の経営する工業系の会社)では、お客様から上がってきたデザインを形にしてという仕事でした。いわゆる下請けで、最近は色々自社製品もやり始めているのですが、以前は自社製品がなかったんです。自社製品のある商売をやりたいなというのと、鉄工とは何か違うことをやりたいという思いもありました。

越後みそ西は地元でもよく知られた自社製品のメーカーですから、やりようによってはいくらでも変わるかもしれない。地元のブランドとしても認知されているし、やりがいがありました。やりようによって、変わるかもしれないと。
変えていきたいと思ったところはどんなところでしたか?
多方面にいっぱいありました。私がもともと天邪鬼なんです(笑)。「何か人の思いつかないようなこと、「こんな手があったか」と驚かせること、当たり前でないことをやりたい」っていう性格で。

一番幼い記憶では、小学生の頃に将棋を親とやっていたのですが、親にどうしても勝ちたくて。人の思いつかないような面白い手はないかと、常に考えていたんです。そこが原点かなと。
そういう性格だと、柏崎から外に出ていこうと思ったことは?
実際、外に出まくりましたね。テック長沢では、私の時に、最初20人弱だった社員も、今では15年間で150人になりました。

不景気の頃、道路工事全面移転の話があって、その時にやめるという選択肢もあるにはあったんですよ。でもやめなかった。関西、関東に営業所を作ってお客さんを拡大したり、工場を中国に作ったりして、どんどん外にでていきました

ただそこには、どんなに拡大しても、「必ずここ柏崎に還元したい、ここでの仕事をよくしたい」という思いがありました。自分が「結局どこでどういう働き方をしたいか、何のために働くのか」って考えた時に、育ったところにお返ししたい、と。ここで「外貨」を儲けたい。

越後みそ西も同じですね。人数は少ないし、採用も1人ずつですが、今でこそ売り手市場なので、一人でも多く、採用できることが最大の地域貢献だという思いでやっています。

優秀な人材も関東に行くと戻ってきません。彼らが戻ってこない理由が、柏崎にいい働く場所がないと。だったら関東の方に行った人たちが、ここだったら戻ってもいいという会社にしたい。

選ばれるような会社にならなきゃいけない。
長澤さんは現在6つの会社を経営されていると伺いましたが、「越後みそ西」はどんな位置付けでしょうか?
私自身が、違う業界から来たので、まだ本質の部分はわからないところがあります。

ただなんとなく、食品加工業というところに外から入ってくると、みんな業界の人たちに、若干諦め感というか、明るくない雰囲気があったんです。違う業界から来たからこそ「当たり前じゃない」考えを入れたい。
会社に入ってどんなことに取り組みましたか?
最初にお話ししたのは「食べる人にどれだけ近付けるか、直接届けられるか」を意識した営業を、とまずは伝えました。

メーカー、流通関係の人以外には、我々の商品の良さを伝えづらいんです。大手メーカーと価格競争になるとダメだし、価格以外の価値を知ってもらうために、つくる側が消費者にどれだけ近づけるかですね。

新商品も幾つか出したものの、トライアンドエラーですね。どう継続していくかが課題だと感じています。売れるものを作るとなるとなかなか難しいですし、こういう商品を作りたいと思ってから、構想しても、実現するのにどうしてもタイムラグがある。

工業製品を作ったりするのとは違って、スピード感がゆっくりなんです。春にこういう商品が作りたいと思っても、秋まで仕込んで、4ヶ月待たなければならないとか。そうすると、実現するのが1年後なんですよ(笑)。やりたいことが実現するまで待つのが仕事というか。PDCAサイクルに時間がかかるんです。味噌屋さん、漬物屋さんならではですね。

あまさけのパッケージも新しいものに取り組みましたが、私は業界にいなかったので、感覚がつかめないんですね。なので「とりあえずまずはやってみよう」って。失敗したら、自分が責任を取るだけなので。