社員が語る 越後みそ西への想い

私たちが作っているのは
その先にある「家庭文化、食文化」だと
思っているんです

Interview

専務取締役 杤堀 佳倫

今の仕事に携わりはじめたのはいつですか?
ちょうど30歳くらいの時に柏崎に戻ってきて、先に姉が西本町のお店で働いていたのですが、産休に入るということで後を引き継ぎました。そもそも、家業として古くから味噌を醸造している家ではありましたが、私が生まれた頃は醸造以外にも事業が広がっていたので、なんとなくそこに味噌があるという感じでした。ただ、いつかは誰かが引き継いでいかなければいけないと漠然と思っていたこともあり、それが帰ってくるきっかけとなったようにも思います。
現在新道の本社で専務取締役をされていますが、最初にどんなことに取り組まれましたか?
最初の一年は現状を把握することに努めた一年でした。ただその中で、どうしても取り組みたかったのが、事業コンセプトの再構築でした。これから私たちは何を大事にして、どこに向かっていきたいのか、その核になる部分がすごく大事だなと思っていて。代表にも相談しながら歴史も振り返り、そこを詰めていきました。
最近で何か具体的な動きはありましたか?
お客様とのコミュニケーションの場をもっと増やしたいという思いで、味噌蔵見学を企画するようになりました。今までも都度ご依頼があれば見学を受け入れてきたのですが、私たちから主体的に企画をするのは初めてでしたので、いろいろな気付きも感じられました。
実際、三階節みそを召し上がってくださる方の想いもその場で伺えたのは、とても貴重な体験になりましたし、何より中で働く者にとっても、自分たちがつくるものを実際食べてくださる方々がその現場をみるというのは、身の引き締まる思いですし、励みにもなります。

他にも自社の企画で味噌づくり教室を開催したのも初めての試みでした。
今後も継続していく予定ですが、やはりプロの職人から味噌づくりを教えてもらえるというのは魅力的なようで、とても嬉しいお声をたくさん頂戴しました。実は準備はなかなか大変なんですけれど(笑)。大豆を煮るところから始めますからね。でも、煮方も美味しい味噌をつくる上で大事な要素なので、教室に参加される皆さん全員に美味しい味噌をつくっていただけるよう、そこは下準備から頑張りますよ。
味噌づくり教室には、できれば親子連れでお子さんもたくさん参加していただきたいなと思っています。普段スーパーなどで味噌を買っていると、味噌って買うものって認識になりがちだと思うんですけれど、自分で味噌をつくるという体験が、少しでも食に興味を持つきっかけになればよいなと思っています。

もちろん、新商品なども少しずつですが形になってきています。醸造品は形になるまで時間はかかりますが、焦らずこちらも一歩一歩といったところですね。

そのうちの一つは、「奈良漬」です。元々うちは昔、奈良漬も作っていて、すごく好評だったんですけれど、いい酒粕が手に入らなくなって一旦販売を終了したんです。辞めてからかれこれ数年経っているんですけれど、ようやくまた酒粕のめどが立って、柏崎の酒蔵原酒造さんから入れていただいています。
製法は先代の杜氏に酒粕の扱い方を思い出してもらいつつ、西巻製造部長が実際にやってみて、独自に改善してもらうということで、なんとか受け継ぐことができました。
以前からの奈良漬ファンのお客様にもご満足いただければ嬉しいですね。