社員が語る 越後みそ西への想い

麹が一番気持ち良く働ける
環境を作ってあげることが
私たちの仕事なんです

Interview

杜氏/製造部長 西巻 洋一

味噌のこれからについて、思うところはありますか?
消費者の人たちに思うのは、「とにかく調理離れしてほしくない」ということです。全てそこから始まっている。調理してもらわないと、私たちの味噌(ベース)も動かないわけですし。ある程度タレ類が多くなっているのも、時短、中食が伸びているってことなんですが、そんな中で、「手をかけてつくること」を大切にしたいです。

そうしないと、次の世代が出来なくなる。親の世代が100やっていたとすると、50、60しか受け取れないと思うんですよね。

そして、確かに「健康には欠かせない」んです。しょっぱいことが悪いかのようにいわれますけど、味噌は健康にいいと思っています。薬事法の絡みがあるので、こう言う効力があるとは言えないけど(笑)。発酵食品の持つよさがある。しょっぱい=体に悪いわけではないんですよね。

私はそもそもの匂いが好きなんです。自分のルーツをたどると、母の実家が糀屋でした。いつも台所には、醤油や味噌が、一升瓶や樽(20kg)で沢山ストックしてあって、そのストックしている引き出しの近辺には「良い匂い」がしていたんですよね。その発酵した味噌と醤油の混じったにおいが昔から好きでね(笑)。
それは筋金入りですね。
最初に味噌屋に務めた時は、「やった!」って思いましたよ(笑)。
日々、仕事や生活の中で気をつけていることはありますか?
相手が「生き物」ってことで、自分の都合にならないように気をつけています。生活が味噌中心に回っている。

家で料理もします、子供たちにもうちの味噌のこれがこうなんだよって話はしています。子どもたちは、どっかで親の背中を見ているんでしょうね。
西巻さんにとって、越後みそ西という会社はどんな会社ですか?
今みそ西では、全行程を管轄しています。

先代の杜氏から教わったのは、やっぱり、延々と続いてきた酵母を受け継いできたこと、それを続けていくこと。言葉ではわかりますけど、実際にここはこうなんだって、触ってみて、経験すると分かりますよ。ここはブレちゃだめだってところ。

全部の樽でそれをきちんとやっていくところがすばらしいと思った。

次世代に残すっていうことで、私も「基軸」を伝えていかないと思っています。いつのまにかベースがずれちゃうと、全体がダメになってしまうので。

とにかく「味をみろ」と教わった。「とにかく食え」と。料理の時もそうなんですけど、全工程で頼りになるのは自分の経験と感覚。それしかない。

前の会社でもやってましたけど、どっか当たり前だろ、って思ってたことの求められる感覚の精度が越後みそ西では全然違った。みそ漬に関しても、ここまでの「漬け加工」って他になかったですもの。

工程の数も、素材も別格です。そこは自信を持って言えます。

この仕事に誇りを感じています。


Interview:ブリコール
2017.06.06 越後みそ西新道工場の事務所にて